NISAのロールオーバーをする際のメリット・デメリット・注意点

NISA口座の運用期間がそろそろ5年になるからロールオーバーして非課税期間を延長しようと思うんだけど、売却しなくてもよいのかな?

新NISA綱領が発令されたことによって、ロールオーバー期間が延びたね。ロールオーバーするかどうかは、利益がでていてこれから更に長期運用すべきかも考慮してきめていくべきだね。
2014年にNISA制度が始まって7年が経過しようとしています。NISAで投資を開始してから5年が経過する方も少なくないのではないでしょうか。NISAの投資期間は5年間なので、ロールオーバーすべきか悩みますし、気を付けるべきことがないか気になるかと思います。
先に結論です。
- 利益が出ていて長期的な株価上昇が期待できる場合→ロールオーバーする!
- 損失が出ている→ロールオーバーせずに損益通算する!
NISAを使う前に読んでいただきたいポイントは以下の記事に記載しています。
一般NISAと積み立てNISAの違いについては、以下の記事をご覧ください。
NISAについてのロールオーバーの仕組み
ロールオーバーとは、NISA口座で金融商品を購入し非課税期間の5年が終了後、保有している金融商品を翌年のNISAの非課税枠に移すことをいいます。
ロールオーバーをすることでNISAは当初は5年間非課税で運用できる制度だったのですが、実質、10年間非課税で運用できることになります。
※本来、NISAの非課税枠は年間120万円ですが、満了時に120万円を超えていても全額ロールオーバーが可能です。(平成17年税制改正)

5年間の非課税期間が終わったら、保有している金融商品については、以下の3つの選択肢があります。
- ロールオーバーする
- 課税口座に移す
- 売却する
3パターンのうち、どれを選択するかは悩ましい問題ですが、ロールオーバーのメリットとデメリットを正しく理解しなければ適切な判断はできません。NISAのロールオーバーのメリット・デメリットを見ていきましょう。
NISAのロールオーバーのメリット
先ずはNISAをロールオーバーすることのメリットです。新NISAの要綱が通達されたことにより、ロールオーバーによる運用期間が長くなったことが大きなポイントです。
投資で得た利益を新たな投資に回すことで非課税のまま複利運用できる
運用成績が良ければ、ロールオーバーをして非課税で運用し続けることが可能です。運用益で120万円を超えていても全額を翌年のNISA口座に移すことができます。
新NISA移行に伴い、10~15年間、非課税で運用することができる
現行NISAで始めている方や、これから現行NISAを始める方は、新NISAでロールオーバすると非課税期間がさらに5年間延びます。2018年までにNISAを使っている方なら、最大15年、それ以降でも10年の非課税期間で運用することができます。
例えば、2019年に始めた人は、5年間しか非課税で運用できませんでしたが、新NISAにロールオーバーする事によって、非課税期間がさらに5年間伸ばせるため、実質10年間非課税で運用する事ができます。
NISAのロールオーバーのデメリット
一方のデメリットですが、損失が出ている場合は売却することを忘れないでください。損失が出ている場合は、確定申告によって3年間の損益通算が可能になります。損失が出ている場合は、通常の証券口座に移行させ、確定申告によって、損益通算しましょう。
値下がりしていて損失を出すと損益通算できない
NISA口座は売却時に値下がりによる損失が出ても、特定口座や一般口座と損益通算ができないというデメリットがあり、その損失は「税計算上ないもの」とみなされます。そのため、ロールオーバーした銘柄の運用成績が悪くて値下がりしてしまうと、非課税の意味がありません。
翌年のNISA枠を消化してしまう
他に収益機会のある株式が存在する場合、ロールオーバーするとNISAの枠を消化してしまい、NSIAで新たな投資をすることができません。特に中長期的な利益が期待できる場合は、今後の戦略と併せてロールオーバーするかを判断するべきです。
NISAのロールオーバーの注意点
ロールオーバーに関する注意点を2点お伝えします。
ロールオーバーの手続きを忘れると、そのまま課税対象になる
金融機関によっては非課税期間満了の連絡がない場合があり、手続きを忘れてしまう可能性があります。ロールオーバーの手続きをしなかった場合、同一金融機関で特定口座を持っている場合は特定口座へ、特定口座を持っていない場合は一般口座へ払出しされることになるので手続きは忘れずにしましょう。
年末時点で、同一の金融機関に翌年のNISA口座を開設しておく必要がある
ロールオーバーをおこなう場合、非課税期間が満了する前に同一の金融機関に、翌年分のNISA口座を開設しなければいけません。証券会社によって、期限が異なるため、予め期限を確認したうえで対応していく必要があります。
まとめ
NISAのの制度が始まってから7年が経過し、ロールオーバーの是非を考えることがあると思います。冒頭でお伝えした通り、ベストな対応方針は以下の通りです。
- 利益が出ていて長期的な株価上昇が期待できる場合→ロールオーバーする!
- 損失が出ている→ロールオーバーせずに損益通算する!
新NISAも考慮して、非課税枠を最大限活用しましょう。
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